SDGsとは何かを子どもにもわかりやすく解説する入門ガイド

「SDGs(エス・ディー・ジーズ)」という言葉を、ニュースやテレビ、お子さんの学校のプリントなどで見かけたことがある方は多いのではないでしょうか。
なんとなく「地球や環境にいいこと」というイメージはあっても、「実際にどういう意味なの?」と聞かれると、うまく答えられない。そんな声をよく耳にします。
この記事では、SDGsの意味や成り立ち、17個の目標、そして私たちの毎日の暮らしとのつながりを、できるだけやさしい言葉で説明していきます。小学生のお子さんと一緒に読める内容を意識しました。
この記事で学べること
- SDGsは「持続可能な開発目標」という意味の世界共通の約束ごとだとわかる
- 2015年に国連で193か国すべてが賛成して決まった目標だと理解できる
- 17個の目標が「人・地球・豊かさ・平和」の4つに整理できるとわかる
- 「誰一人取り残さない」がSDGsの一番大切な合言葉だと知る
- 家庭や学校で今日からできる身近な行動例が見つかる
SDGsとはそもそも何なのか
まず、言葉の意味から見ていきましょう。
「SDGs」は、英語の Sustainable Development Goals の頭文字をとった略称です。読み方は「エス・ディー・ジーズ」。最後の「s」は「Goals(ゴールズ)」の複数形からきているので、小さな「s」で書くのがルールです。
日本語では 「持続可能な開発目標」と訳されます。
少しかたい言葉ですね。かみ砕くと、こういう意味になります。
「持続可能(じぞくかのう)」とは、今だけでなく、未来の子どもたちの世代までずっと続けていける状態のことです。
たとえば、魚を全部とりつくしてしまえば、来年は魚が食べられません。でも、増える分だけをとるようにすれば、ずっと魚を食べ続けられます。この「ずっと続けられる」という考え方が「持続可能」です。
SDGsは、地球で暮らし続けられる持続可能な世界を実現するための、進むべき道=ナビのようなもの。
つまりSDGsとは、「2030年までに、地球をもっとよくするために世界のみんなで決めた17個の約束ごと」だと考えるとイメージしやすいでしょう。
SDGsはいつ誰が決めたのか

SDGsは、ある日突然できたわけではありません。
2015年9月、アメリカのニューヨークにある国連の本部で「国連サミット」という世界の国々のリーダーが集まる会議が開かれました。
そこで採択されたのが「持続可能な開発のための2030アジェンダ」という文書です。その中心にあるのがSDGsです。
注目すべきは、国連に加盟している193の国すべてが賛成して決まったという点です。世界中の国が「これをやろう」と一致するのは、とても珍しいことです。
そして、SDGsを貫く一番大切な合言葉があります。それが 「誰一人取り残さない(leave no one behind)」という誓いです。
お金持ちの国も、貧しい国も、大人も子どもも、障がいのある人もない人も、みんなが幸せになれる世界を目指す。この考え方がSDGsの土台になっています。
SDGsの17の目標をわかりやすく

SDGsは、大きく分けて 17個のゴール(目標)でできています。その一つひとつに、もっと細かい「ターゲット」という具体的な目標が全部で169個ぶら下がっています。
ここでは、17の目標を子ども向けの言い換えとあわせて一覧にしました。
17の目標一覧
- 1 貧困をなくそう ― お金がなくて困る人をなくす
- 2 飢餓をゼロに ― ごはんを食べられない人をなくす
- 3 すべての人に健康と福祉を ― みんなが元気に暮らせるように
- 4 質の高い教育をみんなに ― すべての子どもが学べるように
- 5 ジェンダー平等を実現しよう ― 男女で差別をなくす
- 6 安全な水とトイレを世界中に ― きれいな水を使えるように
- 7 エネルギーをみんなにそしてクリーンに ― 環境にやさしい電気を
- 8 働きがいも経済成長も ― みんなが安心して働けるように
- 9 産業と技術革新の基盤をつくろう ― 便利なしくみや技術を育てる
- 10 人や国の不平等をなくそう ― 国や人の間の差をなくす
- 11 住み続けられるまちづくりを ― 安心して暮らせる町に
- 12 つくる責任つかう責任 ― ものを大切に使う
- 13 気候変動に具体的な対策を ― 地球温暖化を止める
- 14 海の豊かさを守ろう ― 海と海の生き物を守る
- 15 陸の豊かさも守ろう ― 森や陸の生き物を守る
- 16 平和と公正をすべての人に ― 争いのない社会に
- 17 パートナーシップで目標を達成しよう ― みんなで協力する
17個もあると多く感じますが、実は 「5つのP」という考え方で整理すると、ぐっとわかりやすくなります。
People(人)、Planet(地球)、Prosperity(豊かさ)、Peace(平和)、Partnership(協力)の5つです。
17の目標を5つのグループで整理
目標1〜6 貧困や教育など人の暮らし
目標13〜15 気候変動や自然環境
目標7〜11 経済や技術、まちづくり
目標16 争いのない公正な社会
目標17 みんなで力を合わせる
一つひとつの目標をもっと深く知りたい方は、SDGs17の目標の一覧とわかりやすい解説もあわせて読むと、全体像がつかみやすくなります。
なぜSDGsが必要なのか

では、なぜ世界中の国がわざわざこんな目標を決めたのでしょうか。
理由はシンプルです。今の地球には、放っておくと解決できない大きな問題がたくさんあるからです。
地球温暖化による異常気象。森林や海が壊れていくこと。ごはんを食べられずに苦しむ人がいること。生まれた国や性別だけで差別されること。
これらの問題は、たがいにつながっています。たとえば貧困が深刻な地域では教育も受けにくく、環境を守る余裕も生まれにくい、という具合です。
だからこそ、17の目標をバラバラにではなく、まとめて解決していこうという考え方が大切になります。とくに地球温暖化については、SDGsと地球温暖化の関係を知ると、問題のつながりがよく見えてきます。
私たちが今日からできること
「世界の目標」と聞くと大きすぎて、自分には関係ないと感じるかもしれません。
けれど、SDGsの達成には 一人ひとりの小さな行動が欠かせません。難しいことをする必要はなく、毎日の暮らしの中でできることがたくさんあります。
家庭でできること
食べ残しを減らす、使わない電気を消す、マイバッグを使うなど。目標12や13につながります。
学校でできること
水を大切に使う、ものを長く使う、友だちの違いを認め合う。目標4や5につながります。
買い物でできること
必要な分だけ買う、地元の食材を選ぶ、フェアトレード商品を選ぶ。世界の課題にもつながります。
たとえば「使わないものを減らす」という考え方は、リデュースの意味と具体例を知ると、もっと実践しやすくなります。
もっと多くのアイデアを探したい方には、SDGsのために私たちにできることをまとめたページも参考になります。
大切なのは、完璧にやろうとしないこと。まず一つ、続けられそうなことから始めれば十分です。
よくある質問
SDGsは大人だけのものですか
いいえ、子どもも大切な担い手です。むしろSDGsが目指す2030年やその先の世界を生きるのは、今の子どもたちです。学校でSDGsを学ぶ機会が増えているのも、そのためです。
SDGsの「s」はなぜ小文字なのですか
「SDGs」の最後の「s」は、Goals(ゴールズ)という英単語の複数形からきています。目標が17個あって複数なので、小さな「s」で表します。「SDGS」と全部大文字にはしないのが正しい書き方です。
SDGsは達成できているのですか
国や目標によって進み具合はさまざまで、順調なものもあれば、遅れているものもあります。日本を含めた各国の進み具合は毎年ランキングとして発表されており、SDGsの達成度ランキングで日本と世界の現状を確認できます。
SDGsと環境問題は同じ意味ですか
いいえ、同じではありません。環境はSDGsの大事な一部ですが、SDGsには貧困や教育、ジェンダー平等、平和など、人の暮らしや社会に関する目標も多く含まれています。環境だけでなく「人と社会と地球のすべて」を良くしようとするのがSDGsです。
会社や企業もSDGsに取り組んでいるのですか
はい、多くの企業が取り組んでいます。省エネ商品を開発したり、食品ロスを減らしたり、働きやすい職場をつくったりと、事業を通じて目標達成に貢献しています。身近な企業の工夫は環境を守る取り組みの身近な例と企業の事例で具体的に知ることができます。
まとめ
SDGsとは、2030年までに地球をもっとよくするために、世界のすべての国が決めた17個の約束ごとです。
「持続可能」つまり「未来までずっと続けられる世界」を目指し、「誰一人取り残さない」を合言葉にしています。
大きな目標に見えますが、その達成は私たち一人ひとりの小さな行動の積み重ねから生まれます。食べ物を大切にする、電気をこまめに消す、友だちの違いを認め合う。そんな身近な一歩が、17の目標につながっています。
まずはご家庭やお子さんと一緒に、「今日からできそうなこと」を一つ選んでみてください。それがSDGsへの確かな第一歩になります。