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SDGs

SDGs 15 陸の豊かさも守ろうを徹底解説

私たちが毎日口にする食べ物、呼吸する空気、そして飲む水。これらすべてが、陸の生態系によって支えられています。しかし今、世界では毎年約1,200万ヘクタール——東京都の面積に換算すると約55倍もの森林が失われ続けています。SDGs目標15「陸の豊かさも守ろう」は、こうした危機に正面から向き合うために設定された国際目標です。

個人的な経験では、環境問題に関心を持ちながらも「具体的に何をすればいいのかわからない」という声を数多く耳にしてきました。この記事では、SDGs 15の全体像から具体的なターゲット、世界と日本の取り組み、そして私たち一人ひとりにできることまで、包括的にお伝えしていきます。

この記事で学べること

  • SDGs 15には12のターゲットがあり、森林・砂漠化・生物多様性を包括的にカバーしている
  • 世界127カ国が土地劣化の中立性に向けた国家行動計画を策定済み
  • 全世界で4億5,000万ヘクタール以上の劣化した土地の回復が約束されている
  • 「回避・削減・回復」の3段階フレームワークが国際的な実践の柱になっている
  • 日本は国土の約67%が森林であり、独自の課題と可能性を持っている

SDGs 15「陸の豊かさも守ろう」とは何か

SDGs 15は、2015年に国連で採択された「持続可能な開発のための2030アジェンダ」に含まれる17の目標のうちの一つです。

正式な目標文は、「陸域生態系の保護、回復、持続可能な利用の推進、持続可能な森林の経営、砂漠化への対処、ならびに土地の劣化の阻止・回復及び生物多様性の損失を阻止する」。英語では”Life on Land”と表現されます。

この目標が国際的な対話に導入された背景には、国連砂漠化対処条約(UNCCD)の長年にわたる取り組みがあります。砂漠化や土地の劣化は、食料安全保障、水資源、気候変動、そして貧困問題と深く結びついており、一つの目標として独立して扱う必要性が認識されました。

簡単に言えば、SDGs 15は「森林を守る」「砂漠化を止める」「土地の劣化を回復させる」「生物多様性を守る」という4つの大きな柱で構成されています。

SDGs 15が掲げる具体的なターゲット

SDGs 15には、12のターゲット(15.1〜15.9、15.a〜15.c)が設定されています。それぞれの内容を理解することで、この目標が何を目指しているのかがより明確になります。

自然環境の保全に関するターゲット

ターゲット15.1は、2020年までに陸域・内陸淡水生態系とそのサービスの保全・回復・持続可能な利用を確保することを求めています。特に森林、湿地、山地、乾燥地が対象です。

ターゲット15.2は、あらゆる種類の森林の持続可能な経営の実施を促進し、森林減少を阻止し、劣化した森林を回復し、世界全体で新規植林及び再植林を大幅に増加させることを目指しています。

ターゲット15.4では、生物多様性を含む山地生態系の保全を確保し、持続可能な開発に不可欠な便益をもたらす能力を強化することが掲げられています。

土地劣化と砂漠化への対処

特に重要なのがターゲット15.3です。「2030年までに、砂漠化に対処し、砂漠化、干ばつ及び洪水の影響を受けた土地などの劣化した土地と土壌を回復し、土地劣化に荷担しない世界の達成に尽力する」という内容です。

ここで登場する「土地劣化の中立性(Land Degradation Neutrality: LDN)」という概念が、SDGs 15の実現に向けた中核的なメカニズムとなっています。

生物多様性の保護に関するターゲット

ターゲット15.5は、自然生息地の劣化を抑制し、生物多様性の損失を阻止するとともに、絶滅危惧種の保護と絶滅防止のための緊急かつ意味のある対策を講じることを求めています。

ターゲット15.7では、保護の対象となっている動植物種の密猟及び違法取引を撲滅するための緊急対策を講じることが明記されています。

ターゲット15.8は、外来種の侵入を防止し、陸域・海洋生態系に対する外来種の影響を大幅に減少させるための対策を導入することを目指しています。

1

森林の保全と回復

持続可能な森林経営、植林の推進、森林減少の阻止

2

砂漠化と土地劣化への対処

LDNの達成、劣化した土地の回復、持続可能な土地管理

3

生物多様性の保護

絶滅危惧種の保護、密猟の撲滅、外来種対策

土地劣化の中立性(LDN)とは

SDGs 15を理解する上で欠かせないのが、土地劣化の中立性(LDN: Land Degradation Neutrality)という概念です。

LDNとは、「生態系の機能やサービスを支え、食料安全保障を強化するために必要な土地資源の量と質が、特定の時間的・空間的スケールおよび生態系において安定しているか、増加している状態」と定義されています。

少し難しい表現ですが、要するに「劣化してしまった土地の分だけ、別の場所で土地を回復させて、全体としてプラスマイナスゼロ以上を目指す」という考え方です。

LDNを実現する「回避・削減・回復」の3段階フレームワーク

国連砂漠化対処条約(UNCCD)の科学政策インターフェースは、LDN達成のために優先順位をつけた3つの対応策を提唱しています。

第1段階:回避(Avoid)

まだ劣化していない土地の質が悪化することを未然に防ぐ段階です。積極的な規制、計画策定、管理手法を通じて実現します。例えば、開発予定地の環境影響評価を厳格化したり、保護区域を設定したりすることが含まれます。

第2段階:削減(Reduce)

農地や森林における土地劣化を軽減する段階です。持続可能な土地・水・森林管理の実践によって達成されます。気候スマート農業の導入や、持続可能な方法での植林地の収穫などが具体例です。

第3段階:回復(Reverse)

すでに劣化してしまった土地の生産力と生態系サービスを取り戻す段階です。積極的な生態系の復元活動を通じて実現します。荒廃した農地の再生や、砂漠化した地域への植生回復などが該当します。

⚠️
重要なポイント
この3段階には明確な優先順位があります。まず「回避」を最優先とし、次に「削減」、最後に「回復」という順番です。すでに劣化した土地を回復させるよりも、そもそも劣化させないことの方がはるかにコストも低く、効果も高いためです。

LDNの進捗を測る3つの指標

LDNの達成度を客観的に評価するために、3つの土地状態指標が設定されています。

1. 土地利用(Land Use)——土地がどのように使われているかの変化を追跡します。森林から農地への転換や、都市化による自然地の減少などが対象です。

2. 土地の生産性(Land Productivity)——土地がどれだけの植物バイオマスを生み出しているかを測定します。衛星データを活用して、植生の活力を継続的にモニタリングします。

3. 土壌炭素貯蔵量(Soil Organic Carbon)——土壌にどれだけの炭素が蓄積されているかを示す指標です。土壌の健全性を反映する重要な数値で、SDGs 13「気候変動に具体的な対策を」とも密接に関連しています。

世界の取り組みと進捗状況

SDGs 15、特にLDNの達成に向けて、世界各国は具体的な行動を起こしています。

127カ国が国家行動計画を策定

世界127カ国がLDN達成に向けた自主的な国家目標を含む国家行動計画を策定しています。これは、SDGsの個別目標の中でも非常に高い参加率です。

これらの国家的な取り組みを合計すると、LDNの枠組みを通じて4億5,000万ヘクタール以上の劣化した土地の回復が約束されています。さらに広い視点で見ると、全世界での土地回復に対するコミットメントは約10億ヘクタールに達し、そのうち4億5,000万ヘクタール以上がLDNの文脈で約束されたものです。

127
国家行動計画策定国

4.5億+
ヘクタールの回復約束(LDN)

10億
ヘクタールの全体回復目標

地域別の取り組み事例

ある分析対象地域では、17カ国中12カ国がLDN目標を設定・承認し、そのうち9カ国が公式に承認しています。この地域での回復コミットメントは1,590万〜1,720万ヘクタールと推定され、その69〜74%がLDNの文脈で行われました。

特に積極的なコミットメントを示している国としては、トルコ、カザフスタン、モルドバ共和国、セルビア、ウズベキスタンなどが挙げられます。

コミュニティ主導の森林管理

注目すべきアプローチの一つが、地域住民による森林管理です。先住民族や地域の人々が森林を管理することで、生物多様性を維持しながら、蜂蜜、繊維、飼料などの産物を持続的に利用できる仕組みが構築されています。

このような取り組みは、SDGs 1「貧困をなくそう」の達成にも貢献するもので、環境保全と経済的自立の両立を実現する好例です。

💡 実体験から学んだこと
環境保全の取り組みを調べる中で痛感したのは、「上からの規制」だけでは限界があるということです。地域の人々が自分たちの利益と結びつけて森林を守る仕組みの方が、長期的に見て持続可能性が高いと感じています。経済的なインセンティブと環境保全を両立させる視点が、SDGs 15の達成には不可欠です。

生態系サービスとSDGs 15の関係

なぜ陸の豊かさを守ることがそれほど重要なのか。その答えは「生態系サービス」という概念にあります。

健全な陸域生態系は、私たちに4つのカテゴリーのサービスを提供しています。

4つの生態系サービス

基盤サービス(Supporting Services)——土壌の形成は、すべての陸上生命の基盤です。数センチの土壌が形成されるのに数百年から数千年かかると言われており、一度失われると取り戻すことは極めて困難です。

調整サービス(Regulating Services)——水文学的な調整、つまり水の循環を安定させる役割です。森林は降水を吸収し、地下水を涵養し、洪水を防ぎ、干ばつの影響を緩和します。

供給サービス(Provisioning Services)——食料の供給はもちろん、木材、薬用植物、繊維など、私たちの生活に不可欠な資源を提供します。

文化的サービス(Cultural Services)——レクリエーション、精神的な安らぎ、教育的価値など、人間の文化的・精神的な豊かさに貢献するサービスです。

これらのサービスは互いに密接に関連しており、一つが損なわれると連鎖的に他のサービスにも影響が及びます。例えば、森林破壊が進むと、土壌の形成が阻害され、水の調整機能が低下し、食料生産にも悪影響が出るという連鎖が生まれます。

SDGs 15の達成に向けた課題

世界的な取り組みが進む一方で、深刻な課題も存在しています。

モニタリングとデータの不足

多くの国が、LDN目標の実施状況や達成度を監視するメカニズムを持っていません。また、国レベルのLDN指標に関する正確なローカルデータも不足しています。

データがなければ、取り組みの効果を検証することも、改善策を講じることもできません。衛星技術の発展により状況は改善しつつありますが、地上での検証データとの組み合わせが依然として課題です。

制度的・規制的な枠組みの不備

規制や制度的な枠組みの欠如が、土地劣化の継続に寄与しているケースが少なくありません。土地利用に関する法律が整備されていない、あるいは整備されていても執行力が弱い国が多く存在します。

回復目標と実際の劣化面積のギャップ

地域の回復コミットメントが、実際の劣化した土地の面積に対して「不十分に小さい」と評価されることが多いのが現実です。ある地域では、1億5,500万ヘクタールの劣化した土地に対して、回復コミットメントはわずか1,590万〜1,720万ヘクタール。つまり、劣化面積の約10%程度にしか対応できていない計算になります。

📊

回復コミットメントと劣化面積のギャップ

回復目標
約1,700万ha

劣化面積
1億5,500万ha

※特定の分析対象地域における比較データ

日本におけるSDGs 15の現状と取り組み

日本は国土の約67%が森林に覆われた、世界的にも有数の森林国です。しかし、それだけに独自の課題を抱えています。

日本の森林が直面する課題

日本の森林の約4割は戦後に植林されたスギやヒノキなどの人工林です。これらの多くが伐採適齢期を迎えていますが、林業の担い手不足や木材価格の低迷により、適切な管理が行き届いていない森林が増加しています。

管理されない人工林は、間伐が行われず暗い林床となり、下草が育たず土壌が流出しやすくなります。これは土地劣化の一形態であり、SDGs 15のターゲット15.2(持続可能な森林経営)に直結する課題です。

生物多様性の危機

環境省のレッドリストによると、日本では3,700種以上の動植物が絶滅の危機に瀕しています。特に、里山の管理放棄による生息環境の変化、外来種の侵入、そして開発による生息地の分断が大きな要因となっています。

陸の豊かさを守るためには、保護区の設定だけでなく、人間の生活圏と自然環境の接点である里山・里海の持続可能な管理が重要です。

日本の具体的な取り組み事例

日本国内でも、さまざまな取り組みが進んでいます。

森林環境税と森林環境譲与税——2024年度から国民一人当たり年間1,000円の森林環境税が課税され、その税収が市町村の森林整備に充てられています。これは、管理不足の森林を適切に整備するための財源確保策です。

生物多様性国家戦略——日本は「昆明・モントリオール生物多様性枠組」に基づき、2030年までに陸域と海域のそれぞれ30%以上を保全する「30 by 30」目標を掲げています。

OECM(保護地域以外で生物多様性保全に貢献する地域)の認定——企業の社有林や里山など、法的な保護区ではないものの生物多様性の保全に貢献している地域を「自然共生サイト」として認定する取り組みが始まっています。

💡 実体験から学んだこと
日本の環境問題を調べていて興味深いのは、かつての里山管理の知恵が現代のSDGs達成に直結しているという点です。薪炭林の管理、田んぼの水管理、入会地の共同管理など、日本には持続可能な土地利用の伝統が豊富にあります。これらを現代の技術と組み合わせることが、日本ならではのSDGs 15への貢献になるのではないかと考えています。

SDGs 15と他の目標との関連性

SDGs 15は単独で存在する目標ではなく、他の多くの目標と密接に関連しています。

SDGs 13(気候変動に具体的な対策を)との関連——森林は重要な炭素吸収源であり、気候変動対策の背景を理解する上でも不可欠です。土壌炭素貯蔵量はLDNの指標の一つでもあり、土地の劣化は温室効果ガスの排出増加に直結します。

SDGs 1(貧困をなくそう)との関連——世界の貧困層の多くは農村部に暮らしており、土地の劣化は直接的に生計手段を脅かします。持続可能な土地管理は、貧困削減の基盤でもあります。

SDGs 2(飢餓をゼロに)との関連——食料生産は健全な土壌と水資源に依存しており、土地劣化は食料安全保障を脅かす最大の要因の一つです。

SDGs 16(平和と公正をすべての人に)との関連——土地や資源をめぐる紛争は、平和と公正の実現を阻害する要因となります。適切な土地管理制度の構築は、紛争予防にも貢献します。

私たちにできること

SDGs 15の達成は、政府や国際機関だけの責任ではありません。個人レベルでもできることは数多くあります。

日常生活での取り組み

FSC認証製品を選ぶ——木材製品や紙製品を購入する際、FSC(森林管理協議会)認証マークのついた製品を選ぶことで、持続可能な森林経営を支援できます。

食品ロスを減らす——食料生産のために土地が開発されている現実を考えると、リデュースの実践は土地の劣化防止に間接的に貢献します。食べ残しを減らすことは、新たな農地開発の圧力を軽減することにつながります。

地産地消を心がける——地元の農産物を購入することで、地域の農業を支え、持続可能な土地利用を促進できます。

外来種を持ち込まない——旅行先から植物の種子や土を持ち帰らないことは、生態系を守る基本的な行動です。

より積極的な参加方法

植樹活動やボランティアへの参加——各地で行われている植樹イベントや里山保全活動に参加することで、直接的に陸の豊かさの回復に貢献できます。

環境保全団体への寄付——時間がない場合でも、信頼できる環境保全団体への寄付という形で貢献することが可能です。

企業のSDGs取り組みを評価基準にする——投資や消費の際に、企業の環境への取り組みを判断基準の一つにすることで、企業のSDGs推進を後押しできます。

今日から始められるSDGs 15アクション





企業に求められるSDGs 15への取り組み

企業にとっても、SDGs 15への取り組みは単なる社会貢献ではなく、事業の持続可能性に直結する課題です。

サプライチェーンにおける責任

食品、製紙、建設、アパレルなど、多くの産業が陸域の自然資源に依存しています。原材料の調達過程で森林破壊や土地劣化に加担していないかを確認し、サプライチェーン全体での持続可能性を担保することが求められています。

TNFD(自然関連財務情報開示タスクフォース)への対応

気候変動に関するTCFDと並んで、自然資本に関するTNFDの枠組みが注目を集めています。企業が自然環境への依存度とインパクトを開示することが、今後ますます求められるようになるでしょう。

自然を活用した解決策(NbS)の導入

Nature-based Solutions(自然を活用した解決策)は、自然の力を活用して社会課題を解決するアプローチです。例えば、工場敷地内のビオトープ整備、社有林の適切な管理、グリーンインフラの導入などが該当します。

よくある質問

SDGs 15はなぜ「陸の豊かさも守ろう」と訳されているのですか

英語の”Life on Land”を日本語に訳す際、単に「陸上の生命」ではなく、「豊かさ」という言葉を使うことで、生態系が提供するサービスの多様性と、それを「守る」という能動的な行動の必要性を表現しています。「も」という助詞は、SDGs 14「海の豊かさを守ろう」と対をなすことを示しています。

土地劣化の中立性(LDN)と森林保全はどう違うのですか

森林保全はLDNの一部ですが、LDNはより広い概念です。LDNは森林だけでなく、農地、草地、湿地など、すべての陸域の土地を対象としています。また、LDNは「劣化した分だけ回復させてバランスを保つ」というネットゼロの考え方に基づいており、単なる保全を超えた積極的な回復も含みます。

日本は島国なのにSDGs 15は関係あるのですか

大いに関係があります。日本は国土の約67%が森林であり、豊かな生物多様性を持つ国です。また、日本の消費活動は海外の土地利用にも影響を与えています。輸入食料や木材の生産過程で、他国の森林破壊や土地劣化に間接的に関与している可能性があり、サプライチェーン全体での責任が問われています。

個人の行動で本当にSDGs 15に貢献できるのですか

一人の行動は小さくても、集合的な影響は大きなものになります。例えば、FSC認証製品の需要が増えれば、企業は持続可能な調達を強化せざるを得なくなります。食品ロスの削減は農地拡大の圧力を軽減します。消費者の選択が市場を動かし、市場の変化が企業行動を変え、最終的に土地利用のあり方を変えていくという連鎖が期待できます。

SDGs 15の達成期限である2030年までに目標は達成できそうですか

正直なところ、多くの指標で目標達成は厳しい状況にあります。回復コミットメントと実際の劣化面積には大きなギャップがあり、モニタリング体制の不備も課題です。しかし、127カ国がLDN目標を策定し、4億5,000万ヘクタール以上の回復が約束されていることは、希望の持てる進展です。2030年以降も継続的な取り組みが必要であることは間違いありませんが、今の行動が将来の基盤を作ることに変わりはありません。

まとめ

SDGs 15「陸の豊かさも守ろう」は、私たちの生活基盤そのものを守るための目標です。

森林の保全、砂漠化への対処、土地劣化の回復、生物多様性の保護——これらは遠い国の話ではなく、日本に暮らす私たち一人ひとりに関わる課題です。

「回避・削減・回復」の3段階フレームワークが示すように、最も効果的なのは問題を未然に防ぐことです。しかし、すでに劣化してしまった土地を回復させる努力も同時に必要です。

世界127カ国が行動計画を策定し、4億5,000万ヘクタール以上の回復が約束されている一方で、課題は依然として大きく残っています。大切なのは、完璧を求めることではなく、今できることから始めることではないでしょうか。

FSC認証製品を手に取る、食品ロスを減らす、地域の自然保全活動に参加する。小さな一歩の積み重ねが、陸の豊かさを次の世代に引き継ぐ力になります。