森林を守る取り組みを日本と世界の事例で徹底解説

森林は、私たちが呼吸する酸素をつくり、雨水をたくわえ、多くの生き物のすみかとなっています。けれども世界では今も森が減り続け、日本でも手入れが行き届かない森が増えています。この状況をどう変えていけばよいのか、悩んでいる方も多いのではないでしょうか。
個人的に、環境をテーマにした情報を整理してきた中で気づいたのは、「森を守る取り組み」は決して遠い世界の話ではなく、法律や税制、地域の活動、そして私たち一人ひとりの選択にまでつながっているということです。この記事では、日本と世界の具体的な事例をたどりながら、全体像をわかりやすくお伝えします。
この記事で学べること
- 森林は温暖化防止や水源涵養など複数の役割を同時に担っている
- 日本には森林環境税やクリーンウッド法など具体的な制度がある
- 世界ではITTOやJICAが国境を越えて森林保全を支えている
- 植林や間伐など現場の作業には明確な手順がある
- 製品選びやボランティアなど個人でも今日から動ける方法がある
なぜ森林を守る必要があるのか
まず押さえておきたいのが、森林が果たしている役割の大きさです。
森は二酸化炭素を吸収し、地球温暖化の進行をゆるやかにします。さらに、雨水をたくわえて少しずつ流す「水源涵養」の働きや、木の根が土をつかんで土砂災害を防ぐ働きもあります。数えきれない動植物のすみかとして、生物多様性を支えているのも森林です。
つまり森を守ることは、気候・水・防災・生き物という複数の課題を一度に守ることにつながります。この点は森林が果たす役割を整理して考えると、いっそう理解しやすくなります。
一方で、世界の森林は農地転換や違法伐採によって減少が続いています。日本は国土の約3分の2が森林という森林大国ですが、林業の担い手不足で手入れが滞り、荒れた人工林が課題になっています。
日本における森林保全の取り組み

日本の取り組みは、大きく「制度」と「現場の活動」に分けて見るとわかりやすくなります。
森林環境税と森林環境譲与税
森林環境税は、森林の整備を安定的に支えるための仕組みです。集められた財源は森林環境譲与税として自治体に配られ、間伐や人材育成、木材利用の促進などに使われています。
ポイントは、都市部の自治体にも配分される点です。森が少ない地域も、木材利用や普及啓発を通じて森林保全に関わる設計になっています。
クリーンウッド法
クリーンウッド法は、合法的に伐採された木材の流通を促す法律です。違法伐採された木材が市場に入り込むことを防ぎ、事業者に合法性の確認を求めています。
これにより、消費者が知らないうちに違法伐採に加担してしまうリスクを減らす狙いがあります。
自治体や企業による森づくり
制度だけでなく、現場の活動も活発です。自治体は間伐や植林を進め、企業は「企業の森」として一定の森林区域を継続的に手入れする取り組みを行っています。NPOやNGOによる市民参加型の森づくりも各地に広がっています。
こうした地域レベルの動きは、陸の豊かさを守ろうの取り組みとも深くつながっています。
世界の取り組みと国際的な枠組み

森林問題は一国だけでは解決できません。そのため国境を越えた協力が進められています。
ITTO(国際熱帯木材機関)
ITTOは、熱帯林の持続可能な利用と保全を目指す国際機関です。木材の貿易と森林保全の両立を図りながら、生産国への技術的な支援を行っています。
アジア森林パートナーシップ(AFP)
AFPは、アジア地域の森林減少や違法伐採に協力して取り組むための枠組みです。各国が経験や情報を共有し、地域全体で森を守る力を高めています。
JICAによる途上国支援
JICAは、途上国での植林や森林管理、地域住民の生計向上を組み合わせた支援を行っています。森を守ることと暮らしを支えることを両立させる点が特徴です。
森を守ることは、そこに暮らす人々の生活を守ることと切り離せない。両者を同時に考える視点が、国際協力では重視されています。
地球規模の課題という意味では、気候変動への対策とも表裏一体の関係にあります。
森を守る現場の作業プロセス

「森を守る」と一言でいっても、実際には複数の作業が組み合わさっています。主な流れを見てみましょう。
植林
苗木を植え、森の再生を始める最初の一歩です。
下草刈り
苗木が雑草に負けないよう周囲を手入れします。
間伐
混み合った木を間引き、光と栄養を行き渡らせます。
獣害対策
シカなどの食害から苗木を守る柵などを設置します。
森づくりは植えて終わりではなく、数十年にわたる手入れの連続です。この時間感覚を理解しておくことが、取り組みを続ける上でとても大切になります。
個人や企業が今日からできること
ここまで大きな仕組みを見てきましたが、私たち一人ひとりにできることも数多くあります。
個人でできること
- FSC認証など環境に配慮した木材製品を選ぶ
- 森づくりボランティアに参加する
- 国産材を使った製品を積極的に選ぶ
企業でできること
- 「企業の森」で継続的に森林を整備する
- 合法性を確認した木材を調達する
- 補助金や税制を活用して活動を支える
買い物のときに認証マークを確認するだけでも、違法伐採を減らす力になります。より詳しい行動のヒントは森林を守るためにできることにまとめています。
よくある質問
森を守ることと木を伐ることは矛盾しませんか
矛盾しません。適切に間伐し、育った木を使い、また植えるという循環こそが健全な森を保ちます。使わずに放置された森はかえって荒れやすくなります。
森林環境税は誰が負担するのですか
森林環境税は、広く国民が負担する仕組みとして設計されています。集められた財源が自治体を通じて森林整備などに使われます。
個人のボランティアでも本当に役立つのですか
役立ちます。下草刈りや植林は人手を必要とする作業が多く、参加者の存在が森づくりを支えています。継続的な関わりが特に価値を持ちます。
世界の森林減少に日本はどう関わっていますか
JICAによる途上国支援や、ITTOなど国際機関への参加を通じて関わっています。また日本の木材の買い方も、海外の森に影響を与えています。
認証木材は値段が高いのでは
製品によって差はありますが、価格差が小さいものも増えています。まずは無理のない範囲で選び、選択肢の一つとして意識することが大切です。
まとめ
森林を守る取り組みは、制度・国際協力・現場作業・個人の行動という複数の層で進められています。どれか一つだけでは十分ではなく、それぞれが支え合うことで森は守られていきます。
まずは、次の買い物で木材製品の認証マークを確認する、地域の森づくり情報を調べてみる、といった小さな一歩から始めてみてください。関連する陸の豊かさを守ろうの視点も合わせて持つことで、森を守る行動はより確かなものになっていくはずです。