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SDGs 7 エネルギーをみんなにそしてクリーンに徹底解説

いま、この記事を読んでいるあなたのスマートフォンやパソコンは、電気によって動いています。しかし、世界にはその「当たり前」が存在しない地域があることをご存知でしょうか。約7億6,000万人が電力にアクセスできず、約26億人がクリーンな調理設備を使えない現実があります。SDGs目標7「エネルギーをみんなに そしてクリーンに」は、こうした深刻なエネルギー格差の解消と、地球環境に配慮したクリーンエネルギーへの転換を同時に目指す、極めて重要な目標です。個人的にサステナビリティの分野に携わってきた中で感じているのは、エネルギー問題はすべてのSDGs目標の「土台」であるということです。教育も、医療も、経済成長も、安定したエネルギー供給なしには成り立ちません。 この記事で学べること 世界の電力アクセス率は2000年の79%から2021年に91%まで改善したが、まだ不十分である SDGs 7には3つの具体的ターゲットがあり、それぞれ達成度が大きく異なる 日本のエネルギー自給率は約12%と先進国最低水準であり、独自の課題を抱えている 再生可能エネルギーの導入は気候変動対策と経済成長を両立させる鍵である 個人レベルでも今日から実践できるクリーンエネルギーへの貢献方法がある SDGs目標7の基本的な内容と3つのターゲット SDGs目標7は、2030年までに「すべての人々の、安価かつ信頼できる持続可能な近代的エネルギーへのアクセスを確保する」ことを掲げています。 この目標が国連で採択された背景には、エネルギーの不平等という深刻な問題があります。先進国では電気やガスが当然のように使える一方、サブサハラアフリカや南アジアの農村部では、いまだに薪や炭に頼った生活が続いています。 SDGs 7には、以下の3つの具体的なターゲットが設定されています。 1 エネルギーへの普遍的アクセス すべての人が安価で信頼性の高い近代的エネルギーサービスを利用できるようにする 2 再生可能エネルギーの拡大 世界のエネルギーミックスにおける再生可能エネルギーの割合を大幅に拡大する 3 エネルギー効率の改善 世界全体のエネルギー効率の改善率を倍増させる これら3つのターゲットは、それぞれ独立しているわけではありません。再生可能エネルギーの普及がエネルギーアクセスの改善につながり、エネルギー効率の向上が限られた資源の有効活用を可能にするという、相互に連携した構造になっています。 世界のエネルギーアクセスの現状と進捗 数字は希望と課題の両方を示しています。 2000年から2021年にかけて、世界の電力アクセス率は79%から91%へと大きく改善しました。これは約12億人が新たに電力を利用できるようになったことを意味します。 しかし、この改善ペースでは2030年の目標達成には不十分です。 🎯 世界の電力アクセス率 91% 2021年時点 残りの9%、つまり約7億6,000万人がいまだに電力にアクセスできていません。さらに深刻なのは、約26億人がクリーンな調理設備を利用できず、室内の空気汚染による健康被害が続いていることです。WHOの推計では、室内空気汚染が原因で毎年約380万人が命を落としているとされています。 地域別に見ると、課題は大きく偏っています。電力未アクセス人口の約75%はサブサハラアフリカに集中しており、この地域では電力アクセス率がいまだ50%前後にとどまっています。 なぜエネルギー問題がすべてのSDGsの基盤になるのか エネルギーは、他のSDGs目標を達成するための「見えないインフラ」です。 例えば、質の高い教育(SDGs目標4)を実現するには、学校に電気が必要です。夜間に勉強するための照明、デジタル教材を使うためのインターネット接続、すべてが電力に依存しています。 医療においても同様です。ワクチンの冷蔵保存、手術室の照明、医療機器の稼働、いずれもエネルギーなしには成り立ちません。途上国の医療施設の約半数が安定した電力供給を受けられていないという現実があります。 気候変動対策(SDGs目標13)との関連も極めて重要です。世界のCO2排出量の約73%がエネルギー関連であり、化石燃料からクリーンエネルギーへの転換は、気候変動対策の最も効果的な手段の一つです。 💡…

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SDGs 15 陸の豊かさも守ろうを徹底解説

私たちが毎日口にする食べ物、呼吸する空気、そして飲む水。これらすべてが、陸の生態系によって支えられています。しかし今、世界では毎年約1,200万ヘクタール——東京都の面積に換算すると約55倍もの森林が失われ続けています。SDGs目標15「陸の豊かさも守ろう」は、こうした危機に正面から向き合うために設定された国際目標です。 個人的な経験では、環境問題に関心を持ちながらも「具体的に何をすればいいのかわからない」という声を数多く耳にしてきました。この記事では、SDGs 15の全体像から具体的なターゲット、世界と日本の取り組み、そして私たち一人ひとりにできることまで、包括的にお伝えしていきます。 この記事で学べること SDGs 15には12のターゲットがあり、森林・砂漠化・生物多様性を包括的にカバーしている 世界127カ国が土地劣化の中立性に向けた国家行動計画を策定済み 全世界で4億5,000万ヘクタール以上の劣化した土地の回復が約束されている 「回避・削減・回復」の3段階フレームワークが国際的な実践の柱になっている 日本は国土の約67%が森林であり、独自の課題と可能性を持っている SDGs 15「陸の豊かさも守ろう」とは何か SDGs 15は、2015年に国連で採択された「持続可能な開発のための2030アジェンダ」に含まれる17の目標のうちの一つです。 正式な目標文は、「陸域生態系の保護、回復、持続可能な利用の推進、持続可能な森林の経営、砂漠化への対処、ならびに土地の劣化の阻止・回復及び生物多様性の損失を阻止する」。英語では”Life on Land”と表現されます。 この目標が国際的な対話に導入された背景には、国連砂漠化対処条約(UNCCD)の長年にわたる取り組みがあります。砂漠化や土地の劣化は、食料安全保障、水資源、気候変動、そして貧困問題と深く結びついており、一つの目標として独立して扱う必要性が認識されました。 簡単に言えば、SDGs 15は「森林を守る」「砂漠化を止める」「土地の劣化を回復させる」「生物多様性を守る」という4つの大きな柱で構成されています。 SDGs 15が掲げる具体的なターゲット SDGs 15には、12のターゲット(15.1〜15.9、15.a〜15.c)が設定されています。それぞれの内容を理解することで、この目標が何を目指しているのかがより明確になります。 自然環境の保全に関するターゲット ターゲット15.1は、2020年までに陸域・内陸淡水生態系とそのサービスの保全・回復・持続可能な利用を確保することを求めています。特に森林、湿地、山地、乾燥地が対象です。 ターゲット15.2は、あらゆる種類の森林の持続可能な経営の実施を促進し、森林減少を阻止し、劣化した森林を回復し、世界全体で新規植林及び再植林を大幅に増加させることを目指しています。 ターゲット15.4では、生物多様性を含む山地生態系の保全を確保し、持続可能な開発に不可欠な便益をもたらす能力を強化することが掲げられています。 土地劣化と砂漠化への対処 特に重要なのがターゲット15.3です。「2030年までに、砂漠化に対処し、砂漠化、干ばつ及び洪水の影響を受けた土地などの劣化した土地と土壌を回復し、土地劣化に荷担しない世界の達成に尽力する」という内容です。 ここで登場する「土地劣化の中立性(Land Degradation Neutrality: LDN)」という概念が、SDGs 15の実現に向けた中核的なメカニズムとなっています。 生物多様性の保護に関するターゲット ターゲット15.5は、自然生息地の劣化を抑制し、生物多様性の損失を阻止するとともに、絶滅危惧種の保護と絶滅防止のための緊急かつ意味のある対策を講じることを求めています。 ターゲット15.7では、保護の対象となっている動植物種の密猟及び違法取引を撲滅するための緊急対策を講じることが明記されています。 ターゲット15.8は、外来種の侵入を防止し、陸域・海洋生態系に対する外来種の影響を大幅に減少させるための対策を導入することを目指しています。 1…

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陸の豊かさを守ろうの意味と私たちにできること徹底解説

私たちが毎日歩いている大地、そこに広がる森林や草原、そしてそこに暮らす無数の生き物たち。普段は意識しないかもしれませんが、この「陸の豊かさ」が今、かつてないスピードで失われています。SDGs(持続可能な開発目標)の目標15として掲げられた「陸の豊かさを守ろう」は、私たちの生活基盤そのものを守るための呼びかけです。 個人的にSDGsの各目標について調べてきた中で感じているのは、この目標15は他の目標と深く結びついており、理解が進むほど「自分ごと」として捉えやすくなるということです。この記事では、目標15の全体像から具体的なターゲット、世界と日本の現状、そして私たち一人ひとりができることまでを丁寧に解説していきます。 この記事で学べること 毎年約1,000万ヘクタールの森林が失われており、日本の国土面積の約4分の1に相当する SDGs目標15には12のターゲットがあり、森林・砂漠化・生物多様性の3本柱で構成されている 陸の生態系の劣化は貧困や気候変動と直結し、約16億人の生活に影響を与えている 日本は国土の約67%が森林でありながら、生物多様性の危機に直面している FSC認証製品の選択や地産地消など、今日から始められる具体的な行動がある 陸の豊かさを守ろうとは何か 「陸の豊かさを守ろう」は、2015年に国連で採択されたSDGs(持続可能な開発目標)の17の目標のうち、15番目に位置する目標です。 英語では「Life on Land」と表現されます。正式な目標文は「陸域生態系の保護、回復、持続可能な利用の推進、持続可能な森林の経営、砂漠化への対処、ならびに土地の劣化の阻止・回復及び生物多様性の損失を阻止する」という内容です。 少し長くて難しく感じるかもしれません。 簡単に言えば、「森を守り、砂漠化を止め、動植物の多様性を未来に残していこう」というメッセージです。地球上の陸地に存在するすべての生態系を健全な状態で維持し、次の世代へ引き継ぐことを目指しています。 なぜ陸の豊かさが重要なのか 私たちの食料、きれいな水、呼吸する空気。これらはすべて、健全な陸の生態系があってこそ成り立っています。 世界の食料の約80%は農業に依存しており、その農業は健康な土壌なしには成り立ちません。森林は地球上の二酸化炭素を吸収する巨大な「炭素の貯蔵庫」であり、気候変動対策においても欠かせない存在です。さらに、陸上の生態系は世界の約16億人の生計を直接支えています。特に発展途上国では、森林資源に依存して暮らす人々が数多くいます。 つまり、陸の豊かさを守ることは、環境問題であると同時に、貧困問題や食料安全保障にも直結する課題なのです。 SDGs目標15の具体的なターゲット 目標15には、達成すべき具体的なターゲットが12項目設定されています。これらは大きく3つの柱に分類できます。 森林の保全と持続可能な管理 ターゲット15.1では、2020年までに森林、湿地、山地、乾燥地などの陸域生態系とその内陸淡水生態系の保全・回復・持続可能な利用を確保することが求められています。 ターゲット15.2は、あらゆる種類の森林の持続可能な経営の実施を促進し、森林減少を阻止し、劣化した森林を回復させることを目標としています。世界では毎年約1,000万ヘクタールの森林が失われているとされ、この数字は北海道と四国を合わせた面積にほぼ匹敵します。 砂漠化と土地の劣化への対処 ターゲット15.3では、砂漠化に対処し、砂漠化や干ばつ、洪水の影響を受けた土地を含む劣化した土地と土壌を回復させることが掲げられています。 現在、世界の陸地面積の約40%が劣化の影響を受けているとされています。これは農業の生産性低下だけでなく、食料不足や人々の移住にもつながる深刻な問題です。国連砂漠化対処条約(UNCCD)を中心に、国際的な取り組みが進められています。 生物多様性の保全 ターゲット15.5では、絶滅危惧種の保護と絶滅防止のための緊急かつ重要な対策を講じることが求められています。現在、約100万種の動植物が絶滅の危機に瀕しているとIUCN(国際自然保護連合)のレッドリストで報告されています。 ターゲット15.7は、保護の対象となっている動植物種の密猟や違法取引を撲滅するための緊急対策を講じることを求めています。ワシントン条約(CITES)やラムサール条約、生物多様性条約などの国際的な枠組みが、この取り組みを支えています。 📊 目標15の3つの柱と主な課題 森林消失 年間1,000万ha 土地劣化 陸地の約40% 絶滅危惧 約100万種 世界が直面している陸の生態系の危機 数字だけを並べても実感が湧きにくいかもしれません。ここでは、世界で実際に起きている具体的な問題を見ていきましょう。…

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質の高い教育をみんなにとは SDGs目標4を徹底解説

世界には今この瞬間も、学校に通えない子どもたちが約6,100万人いるといわれています。 私たちが当たり前のように受けてきた教育。しかし、国籍や家庭環境、性別によって、その機会すら与えられない人々が世界中に存在しています。SDGs(持続可能な開発目標)の目標4「質の高い教育をみんなに」は、まさにこの深刻な課題に向き合うために掲げられた国際的な目標です。 教育は単なる知識の習得にとどまりません。貧困からの脱却、経済的自立、そして平和な社会の実現に直結する、すべての人にとっての基盤となるものです。この記事では、SDGs目標4の全体像から具体的なターゲット、世界の現状、そして私たち一人ひとりができることまで、包括的にお伝えしていきます。 この記事で学べること SDGs目標4には7つの具体的ターゲットと実施手段が設定されている 開発途上国の初等教育就学率は91%だが「質」の面で深刻な課題が残る 教育格差の背景には貧困・ジェンダー・紛争など複合的な要因がある 2030年までの達成期限に向けて世界各国が取り組む具体的な施策がわかる 個人レベルでも教育支援に貢献できる実践的な方法がある SDGs目標4「質の高い教育をみんなに」の基本的な意味 SDGs目標4の正式な表現は、「すべての人々に包摂的かつ公正な質の高い教育を確保し、生涯学習の機会を促進する」。というものです。 少し堅い表現に感じるかもしれません。簡単に言えば、「国籍、家庭の経済状況、性別に関係なく、すべての人が質の高い教育を平等に受けられるようにしよう」という目標です。 ここで重要なのは、「教育の機会」だけでなく「質」にも焦点を当てている点です。学校に通えるだけでは不十分で、実際に将来の生活や仕事に役立つ力を身につけられる教育が求められています。 なぜ教育がSDGsの重要目標なのか 教育は、SDGsの他の目標とも深く結びついています。 質の高い教育を受けた人は、安定した収入を得やすくなり、貧困をなくそう(SDGs目標1)の達成にも貢献します。また、教育を通じて環境問題への理解が深まれば、SDGs13(気候変動に具体的な対策を)の推進にもつながります。 つまり、教育はすべての持続可能な開発の「土台」ともいえる存在なのです。 “ 教育は世界を変えるために使える最も強力な武器である — ネルソン・マンデラ(南アフリカ元大統領) 世界の教育が抱える深刻な現状 SDGs目標4が掲げられた背景には、世界の教育をめぐる厳しい現実があります。数字で見ると、その深刻さがより鮮明に伝わってきます。 教育を受けられない子どもたちの実態 世界では約6,100万人の子どもたちが、十分な教育を受けられない状況にあります。 この数字は日本の総人口の約半分に相当します。学校に通えない理由はさまざまですが、貧困、紛争、地理的な問題、そしてジェンダーによる差別が主な原因として挙げられています。 特にサハラ以南のアフリカや南アジアでは、学校へのアクセスそのものが困難な地域が多く残されています。 就学率と教育の「質」のギャップ 開発途上国の初等教育就学率は約91%まで改善されています。一見すると大きな進歩に思えるかもしれません。 しかし、ここに見落とせない問題があります。 学校に通えていても、基礎的な読み書きや計算ができないまま卒業してしまう子どもたちが多いのです。教員の不足、教材の欠如、過密な教室環境など、「質」の面での課題は依然として深刻です。就学率だけを見て「改善している」と判断するのは、実態を見誤ることになりかねません。 6,100万人 教育を受けられない子どもたち 91% 途上国の初等教育就学率 2030年 目標達成の期限 教育格差を生む複合的な要因 教育格差は、単一の原因で説明できるものではありません。複数の要因が絡み合い、問題をより複雑にしています。 経済的要因として、家庭の貧困は子どもの就学を直接的に妨げます。学費だけでなく、制服や教材の費用、さらには子どもが働いて家計を支える必要性が、教育の機会を奪っています。…

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貧困をなくそうSDGs目標1の現状と取り組みを徹底解説

世界では今この瞬間も、6億3,040万人以上の人々が1日2.15ドル(約320円)未満で暮らしています。そのうち約半数にあたる3億3,500万人が子どもたちです。つまり、世界の子どもの6人に1人が極度の貧困状態に置かれているという現実があります。 SDGs(持続可能な開発目標)の目標1「貧困をなくそう」は、2030年までにあらゆる形態の貧困を終わらせることを掲げた、17の目標の中でも最も根本的なテーマです。個人的にSDGs関連の調査や情報整理に携わってきた中で感じるのは、この問題は「遠い国の話」ではなく、日本に暮らす私たちにとっても身近な課題だということです。実際に、日本の相対的貧困率はOECD加盟38カ国中7番目に高い15.7%という数字が出ています。 この記事では、SDGs目標1の具体的なターゲットから世界と日本の現状、そして個人や組織ができる取り組みまでを包括的にまとめました。 この記事で学べること 世界の極度の貧困者数は25年間で約64%減少したが、2030年目標の達成は困難な状況にある 国際貧困ラインは2022年に1日2.15ドルへ引き上げられ、基準自体が進化している 日本の相対的貧困率15.7%はOECD加盟国中ワースト7位という深刻さ サハラ以南アフリカに世界の極度の貧困の60%以上が集中している構造的問題 貧困削減に効果が実証されている具体的な介入方法と私たちにできるアクション SDGs目標1「貧困をなくそう」とは何か SDGs目標1は、正式には「あらゆる場所のあらゆる形態の貧困を終わらせる」という目標です。2015年の国連サミットで採択された「持続可能な開発のための2030アジェンダ」に含まれる17の目標の最初に位置づけられています。 この「最初」という順番には意味があります。 貧困は単にお金がないという問題にとどまりません。教育を受けられない、医療にアクセスできない、安全な水が手に入らないなど、人間の基本的な権利が奪われる根本的な問題です。他のSDGs目標の多く——健康、教育、ジェンダー平等——は、貧困の解消なくして達成が難しいと考えられています。 目標1の4つのターゲット SDGs目標1には、達成すべき具体的なターゲットが設定されています。それぞれの内容を見ていきましょう。 1.1 極度の貧困の撲滅 2030年までに、1日2.15ドル未満で生活する「極度の貧困」をすべての人々について終わらせる 1.2 あらゆる貧困の半減 各国の定義に基づくあらゆる次元の貧困状態にある人の割合を、2030年までに少なくとも半減させる 1.3 社会保障制度の整備 各国において適切な社会保障制度や対策を実施し、2030年までに貧困層・脆弱層に十分な保護を達成する 1.a 資源の動員 開発途上国の貧困撲滅を支援するため、さまざまな資源を動員し、政策枠組みを構築する 国際貧困ラインの変遷 「貧困」を測る基準自体も、時代とともに見直されてきました。世界銀行が定める国際貧困ラインは以下のように推移しています。 以前の基準:1日1.25ドル 2021年基準:1日1.90ドル 2022年9月改定(現行基準):1日2.15ドル この基準の引き上げは、物価上昇や生活コストの変化を反映したものです。ただし、1日2.15ドルという金額は、日本円に換算すると約320円程度。これで食事、住居、衣服、医療など生活のすべてをまかなわなければならないという現実は、数字以上に厳しいものがあります。 世界の貧困の現状を数字で把握する 貧困問題の全体像をつかむには、具体的な数字を見ることが欠かせません。UNICEFと世界銀行の共同調査をはじめとする国際機関のデータから、現在の状況を整理します。 極度の貧困に暮らす人々の推移 まず、過去30年間の変化を見てみましょう。 📊 極度の貧困者数の推移 1990年…

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SDGs 16 平和と公正をすべての人に を徹底解説

世界では今この瞬間も、紛争や暴力によって命が奪われ、不公正な制度のもとで声を上げられない人々がいます。 こうした現実に対して、国際社会が掲げた明確な目標があります。それが「SDGs 16(平和と公正をすべての人に)」です。正式には「持続可能な開発のための平和で包摂的な社会を促進し、すべての人々に司法へのアクセスを提供し、あらゆるレベルにおいて効果的で説明責任のある包摂的な制度を構築する」という、17の目標の中でも特に社会の根幹に関わるゴールです。 個人的な経験では、SDGsに取り組む企業や団体の方々と話す中で、「目標16は他の目標すべての土台になる」という声を何度も耳にしてきました。平和がなければ教育も経済成長もありません。公正な制度がなければ、貧困の解消も環境保全も持続しません。この目標は、他の15の目標を支える「基盤」としての役割を持っているのです。 この記事で学べること SDGs 16が掲げる「平和・公正・強い制度」の3本柱と10のターゲットの全体像 世界で年間数十万人が紛争や暴力で命を落としている深刻な現状 日本が目標16で果たすべき役割と国内で直面する具体的な課題 企業や個人が今日から実践できる目標16への貢献方法 目標16が他のSDGs達成の「前提条件」とされる理由 SDGs 16の基本理念と3つの柱 SDGs 16は、2015年に国連で採択された「持続可能な開発のための2030アジェンダ」に含まれる17の目標のひとつです。2030年までの達成を目指しています。 この目標が扱うテーマは大きく3つの柱に分けられます。それぞれが密接に関連し合い、どれか一つが欠けても目標の達成は困難になります。 🕊️ 平和 あらゆる形態の暴力を削減し、子どもを虐待や搾取から守る ⚖️ 公正 法の支配を推進し、すべての人に司法へのアクセスを保障する 🏛️ 強い制度 効果的で透明性の高い、説明責任のある制度を構築する 第1の柱「平和」が意味すること 「平和」と聞くと、戦争のない状態を思い浮かべる方が多いかもしれません。しかし、SDGs 16が目指す平和はそれだけではありません。 あらゆる形態の暴力と、それに関連する死亡率を大幅に削減すること。子どもに対する虐待、搾取、人身売買、あらゆる形態の暴力を根絶すること。テロリズムや犯罪を防止すること。これらすべてが「平和」の柱に含まれます。 つまり、日常の中に潜む暴力や抑圧からも人々を守ることが求められているのです。 第2の柱「公正」が目指す社会 公正(ジャスティス)の柱は、国内および国際的なレベルで法の支配を推進し、すべての人に平等な司法へのアクセスを確保すること。を目指しています。 ここで重要なのは「すべての人に」という部分です。経済的に恵まれない人、社会的に弱い立場にある人も含め、誰もが公正な裁きを受けられる仕組みが求められています。 第3の柱「強い制度」の重要性 強い制度(Strong Institutions)は、平和と公正の両方を維持するための前提条件として位置づけられています。 具体的には、効果的で説明責任のある透明性の高い制度の構築、汚職や贈賄の大幅な削減、あらゆるレベルでの応答的で包摂的な意思決定の確保が含まれます。制度が弱ければ、どれだけ理想的な法律があっても実効性を持ちません。 💡 実体験から学んだこと SDGsに関するワークショップに参加した際、「目標16は地味に見えるが、実は最も重要」という講師の言葉が印象的でした。実際に他の目標の進捗を調べてみると、ガバナンスが弱い国ほど教育や医療の改善も遅れている傾向が顕著でした。制度の力を実感した瞬間です。…

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SDGs目標13 気候変動に具体的な対策を徹底解説

近年、記録的な猛暑や豪雨災害のニュースを目にする機会が増えています。「気候変動」という言葉は知っていても、具体的に何をすればよいのか分からないという声を多く耳にします。 SDGs目標13「気候変動に具体的な対策を」は、まさにこの課題に正面から取り組むための国際的な目標です。個人的な経験では、気候変動対策というと大規模な政策や技術革新ばかりが注目されがちですが、実は私たちの日常生活の中にも効果的な取り組みが数多く存在します。 この記事では、SDGs目標13の全体像から、国・企業・個人それぞれのレベルでできる具体的な対策まで、分かりやすく整理してお伝えします。 この記事で学べること SDGs目標13には「緩和」と「適応」の2つの柱があり、両方が不可欠である ターゲット13.1〜13.3と13.aの具体的な内容と達成に向けた課題 企業が取り組むサプライチェーン脱炭素化やカーボンオフセットの実践方法 冷暖房の見直しや公共交通機関の利用など、今日から始められる個人の対策 耐暑性作物の開発やハザードマップ整備など、気候変動への適応策の最前線 SDGs目標13の基本的な意味と背景 SDGs目標13は、正式には「気候変動及びその影響を軽減するための緊急対策を講じる」ことを目指しています。 ここで重要なのは「緊急」という言葉です。気候変動はすでに進行中の問題であり、将来の話ではありません。IPCCの第6次評価報告書(AR6)でも、人間活動が地球温暖化の主要因であることが改めて確認されています。 この目標が求める対策は、大きく2つのアプローチに分かれます。 緩和策と適応策という2つの柱 気候変動対策を理解するうえで、まず押さえておきたいのが「緩和(ミティゲーション)」と「適応(アダプテーション)」という2つの考え方です。 緩和策とは、温室効果ガスの排出そのものを減らす取り組みです。再生可能エネルギーの導入、省エネルギーの推進、リサイクルの促進などがこれにあたります。簡単に言えば、「気候変動の原因を減らす」アプローチです。 一方、適応策とは、すでに起きている、あるいは今後避けられない気候変動の影響に備える取り組みです。防災対策の強化、耐暑性のある農作物の開発、早期警報システムの整備などが含まれます。こちらは「気候変動の影響に備える」アプローチと言えます。 ↓ 緩和策 再生可能エネルギーの導入 省エネルギーの推進 リサイクル・資源循環 森林による炭素吸収 🛡 適応策 防災・減災体制の強化 耐暑性作物の開発 早期警報システムの整備 ハザードマップの作成 これまでの取り組みで感じているのは、緩和策だけでも適応策だけでも不十分であり、両方を同時に進めることが不可欠だということです。 SDGs目標13の具体的なターゲットを解説 SDGs目標13には、3つの具体的なターゲット(13.1〜13.3)と1つの実施手段(13.a)が設定されています。それぞれの内容を詳しく見ていきましょう。 ターゲット13.1 気候関連災害への強靱性と適応力の強化 ターゲット13.1は、すべての国々において、気候関連災害や自然災害に対する強靱性(レジリエンス)と適応の能力を強化することを求めています。 具体的には、洪水対策のための堤防整備、ハザードマップの作成と周知、避難計画の策定などが含まれます。日本は自然災害が多い国ですので、この分野では世界に先駆けた取り組みが進んでいる面もあります。 ターゲット13.2 気候変動対策の国家政策への統合 ターゲット13.2は、気候変動対策を国別の政策、戦略及び計画に盛り込むことを目指しています。 これは単独の環境政策としてではなく、経済政策、産業政策、教育政策など、あらゆる国家戦略に気候変動の視点を組み込むことを意味します。日本では「2050年カーボンニュートラル」の宣言が一つの大きな転換点となりました。…