インドはその広大な国土により、地域によって気候が大きく異なります。「インド亜大陸」という名前の通り、ヒマラヤ山脈の近くにあるカシミールから南端のチェンナイまで、気候はまるで別世界です。訪問する前に、目的地の気候を調査し、適切な服装を準備することが重要です。ここでは、JTBの現地スタッフが案内する、インドの主要な観光地の気候について詳しく解説します。

インド気候の3つの主要なパターン
インドは北部の山岳地帯から南部の亜熱帯まで、幅広い気候帯を持っています。しかし、大まかに言えば、インドの気候は「乾季」「暑季」「雨季」の3つに大別できます。
- 乾季: 11月から2月にかけては、雨が少なく、気温も比較的穏やかなため、観光に最適なシーズンです。
- 暑季: 3月の終わりから5月にかけては、気温が大幅に上昇し、特に北部平原では40度を超える日がしばしばあります。この時期は湿度も上昇します。
- 雨季: 6月から9月にかけては、雨が多くなります。南部では特に、インド洋からの湿った空気が大雨をもたらすことがあります。

主要都市の気候
デリー & アグラ(北部平原)
デリーとタージマハルで知られるアグラは、観光客にとって最も人気のある都市の一つです。
- 乾季: 11月から3月は晴れが多く、日中20度前後の気温ですが、朝晩は10度を下回ることも。防寒着の準備が必要です。
- 暑季: 4月から5月は非常に暑くなり、最高気温は40度を超えることも。帽子や日傘での対策が必要です。
- 雨季: 6月末から9月末は雨が多く、湿度が高くなりますが、気温は30度前後になります。

ムンバイ
海に面したムンバイは、年間を通じて高温多湿です。
- 乾季: 11月から5月は最高気温が30度前後と安定しています。観光に適した時期です。
- 雨季: 6月から始まる雨季は、激しい雨が降ります。雨具の準備が必要です。
ベンガルール(デカン高原)
インドの避暑地として知られるデカン高原は、年間を通して快適な気候です。
- 乾季: 11月から3月は、最高気温が25度前後で、雨も少ないです。
- 雨季: 4月から10月は、気温が30度を超える日もありますが、雨量は多くありません。

コルカタ
- 乾季: 11月から3月は観光の最適期です。気温は25度前後で、湿度が高いのが特徴です。
- 暑季: 4月と5月は、最高気温が35度を超え、湿度も高くなります。
- 雨季: 雨季では最高気温が32度前後になりますが、ベンガル湾からの湿った空気により大量の雨が降ります。
どの都市に旅行する場合でも、11月から3月の乾季が観光に最適です。しかし、その他の季節でも、適切な対策を取れば、インド独自の魅力を楽しむことができます。特に蒸し暑い季節には、室内でエアコンが効きすぎていることがあるため、羽織るものを持参すると良いでしょう。