2100年の未来予測

地球温暖化のシミュレーション結果

■未来予測 2100年の地球の温暖化は止められるのか?

 温暖化による地球の気候変化の予測はコンピュータでシミュレーションを行うことができ、世界各国で精力的に研究が行われています。日本で温暖化による気候変化予測を行っているのは、「国立環境研究所」をはじめ、「東京大学気候システム研究センター」や「海洋開発機構の共同研究チーム」など。実際に、世界最大級のスーパーコンピュータ「地球シミュレータ」を使って2100年までの温暖化予測計算が行われました。「経済成長を優先した上でグローバル化が進み、化石燃料と新技術がバランスよく用いられる社会」を想定してシミュレーションをしたところ、1900年から2100年まで地球の平均気温は約5℃上昇するという結果になりました。この研究成果は、世界で最も詳細な計算結果として、2007年にIPCC(気候変動に関する政府間パネル)の第4次評価報告書の作成において発表されました。

 上記は経済重視で国際化が進むことを想定したシナリオ「A1B」であり、もう1つのシナリオとして、環境重視で国際化が進むことを想定した「B1」も同時に計算されました。

「B1」では1900年から2100年まで地球の平均気温が約3℃上昇するという結果に。また、温暖化により日本の夏の降雨量が平均的に増加するという結果もわかっています。これは、熱帯太平洋の昇温と関係しており、日本の南側が高気圧偏差となることが原因として考えられます。日本付近に低気圧偏差がもたらされ、同時に南西風が発生し、大陸が昇温することで日本の上空の北側が高気圧偏差となります。これが北上である梅雨前線を妨げるということがわかりました。